「鳥居の周りは釣れる」アングリングバス編集部の田沢がもつ持論のひとつだ。桧原湖、高滝湖、亀山湖、芦ノ湖、そして先日の一碧湖、テクニック面以外で「鳥居」が重要なキーワードになるメジャーフィールドは多い。今回はそんな「珍説」についての考察です。(まとめ○アングリングバス編集部 田沢)
鳥居が釣れることに気づいたのは数年前のこと。鳥居が有名ポイントになっている釣り場は枚挙にいとまがない。高滝湖や亀山湖の鳥居は有名だし、個人的には釣れた経験はないが、琵琶湖にもあるらしい。今回はそんな鳥居が釣れる理由を考えてみた。


鳥居、なんだか釣れる気がする
そもそも鳥居とはなんなのか。
ざっくりいうと、神様の領域と人間の領域の境界にあるもので、神様の領域への入口を意味するものなんだそうです。つまり、鳥居を隔ててこちら側が人間、あちら側が神様の領域であると。神社の入口にあるのはそのためでそれはわかりやすいんですが(桧原湖、芦ノ湖、一碧湖、琵琶湖などには神社もセットであります)、釣り場によってはただ鳥居だけドーンと立っている場合もありますよね…(高滝湖、亀山湖)。どこか離れた場所に神社もあるのか、それともほかの理由があるんでしょうか。亀山湖は裏の山に神社もありますね。そのへんに関しては釣りとはあまり関係ないので、今後、機会とその方法があれば調べてみたいと思います(笑)。
仮説1:目印になりやすい?
まず第一に考えたのが、目印としてのわかりやすさです。大抵の鳥居は真っ赤で目立ちます。釣れたとき、「あの鳥居の近くだったよ」といえばすぐに伝わりますよね。釣果を伝達するうえでのわかりやすさは理由としてあると思います。ポイント名にもわかりやすいものとわかりづらいものがあって、ローカルにしか伝わらないようなものも多いです。私はいまだに相模湖秋山川の有名ポイント「岡堂」がどこなのか正確にはわかりません(笑)。ですが、日本に生まれ育った人であれば「鳥居」と言われれば初心者か上級者かといった釣りのレベルやその釣り場に通い込んでいるか否かに関わらず、一発で通じるはずです。
仮説2:鳥居の赤が何かを引き寄せる?
人間にとっても赤は「注意!」を引き寄せる色です。救急車のサイレン、赤信号など、注意を促す際にも使われる色です。また、ルアーでも赤は人気カラーのひとつです。魚にとっても、赤は生き物の血液の色であり、あらゆるルアーフィッシングで赤系は重要カラーのひとつです。バスフィッシングではバイブレーションのカラーとして定番ですし、個人的にはいまいち釣った記憶がありませんが、ワームのカラーとしても重要なカラーであると言われています。サーモンフィッシングでも赤は必ず必要なカラーだとか。そんな赤に水中の魚や人間が引き寄せられるのではないか、というのが仮説その2です。
仮説3:アングラーへの心理的影響?
子どもの頃から神社や鳥居にいたずらをしてはいけないといわれて育った人も多いのではないでしょうか。立ち小便禁止などを意味する看板に鳥居の絵が描いてあったり、場合によってはミニチュアの鳥居が立っていたりします。よく見かけるので効果が大きいんでしょう。「触らぬ神にたたりなし」的に鳥居に罰当たりなことはしないようにしようという心理が働く可能性に注目しました。「鳥居が立っている場所にルアーを投げるなんて」と考える人もいるのかもしれない、と。あるいは、仮に投げても鳥居が気になって釣りがおざなりになり、しっかり攻めずに終わってしまう。すなわち、プレッシャーが低くなる?
仮説4:ハードボトムだから?
正直、これが最大の理由ではないかと思うのですが(笑)、ハードボトムだから。神様と人間の領域を隔てる存在の鳥居が軟弱な地盤の上に立っていたら、悪天候などですぐに倒れてしまう可能性があります。東日本大震災のとき、家屋の多くが流されてしまった土地で神社と鳥居だけが残っていた例があります。つまり鳥居を立てる場所はどこでもいいわけではないということ。地盤が硬くしっかりしている=(バスフィッシング的にいう)ハードボトム=釣れる、という図式です。
鳥居が釣れる理由について仮説をまじえて考察してみました。鳥居の近くだけで釣りをしてみるスピリチュアル系企画(?)なんかも面白いかもしれませんね(そうでもないか)。
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