「エレキを忘れた!」「そもそもエレキが禁止!」そんなフィールドで役に立つかもしれない手漕ぎボートハウツーです!(まとめ○アングリングバス編集部 田沢)
亀山湖や相模湖など関東のメジャーリザーバーではエレキスタイルが定着し久しいですが、そこまで環境が整った釣り場は全国的に見るとまだまだ少数派。先日訪れた伊豆半島は伊東市、一碧湖はエレキの使用が禁止されている釣り場でした。安全上の理由やヘラブナ釣りへの影響を考慮してなど、理由は様々ですが、手漕ぎボートでしかバス釣りが楽しめない釣り場はいくつかあります。
また、エレキがOKな釣り場でも、うっかりパーツを忘れてしまってエレキが出せない! なんてこともあるかと思います。実は過去私もドアノブを忘れてしまい、ビニールテープとロッドベルトで無理矢理固定して釣りをしたことがあります(笑)。(そもそも、ドアノブはマウントから外れる状態じゃダメなんですけどね…)
そんなときに役立つ“かもしれない”手漕ぎボートをフル活用する方法です。
手漕ぎボートのメリットとデメリット
メリット:圧倒的に準備が早い
まず、メリットについては準備の早さ。エレキやバウデッキ、バッテリー、魚探ほかがあると亀山湖のように電動カートなどの設備が整った釣り場でも出船するまでに20〜30分はかかってしまうのではないでしょうか。
手漕ぎボートなら、タックルとルアーボックスなどを積み込むだけ。つまり一瞬で準備完了!なのです。先日の一碧湖でも桟橋からボートへ荷物を積み込む時間という意味ではおそらく1分以下だったのではないかと思います。

メリット:静かにアプローチできる
エレキを踏みすぎるとバスにプレッシャーをかけてしまう場合もあります。エレキの水流でバスの活性を上げる…など、特殊な例をのぞき、操船の基本としては、ずっとエレキを踏みっぱなしで流すか、極力エレキを踏まないか、どちらかがいいとされますが、手漕ぎボートの場合は風で流す、アンカーを下ろしてボートを固定する、いずれの場合でもかなりプレッシャーをかけづらいのがメリットといえるでしょう。
この点については人気ブログKAKEDZUKA.COMでも言及されていました。
デメリット:ボートを流すのが難しい
オールを漕ぐ姿勢になるためには基本的にボートに座らなければならない。さらに、オールは基本的には両手で漕ぐものである。つまりそのたびに釣りは中断です。後述しますが、風を読んであらかじめボートを通すコースを考え、風上までオールで移動してから流す必要があります。つまり、撃ちモノで流していきたい場合などは不利といわざるを得ないのが手漕ぎボートです。また、オールを漕ぐスペースには荷物などが置けないのもデメリットのひとつだと思います。
デメリット:魚探が使えない(使いづらい)
これに関しては魚探の使用自体が禁止されていない限り無理矢理持ち込めばいい話ですが、振動子を別途ポールに装着しボートにクランプで固定するなどの工夫が必要になり、エレキに振動子を付けている場合はポールに付け替えなければなりません。
デメリット:なにより疲れる(笑)
ジム通いなどで特別なトレーニングをしている場合をのぞき、普段使わない筋肉をフル活用することになるため、手漕ぎボートで一日釣りをした後はかなりの筋肉痛になります。運動不足解消にはいいかもしれませんが、先日の一碧湖では一日の後半になるに釣れて手がプルプルしてきてしまいました(笑)。
風を読んでボートを流す
次に釣りそのものについて。エレキであれば前進、後進、左右への転回など自由自在ですが、手漕ぎボートの場合は細かい操船はできないものと思った方がいいです。オールを片方だけ回して少しだけ向きを調整することはありますが、それでも釣りをしながらだとスペースが限られているため、かなりやりづらいです。ある程度、通すコースを決めて風で流すのがいいでしょう。そのため、手漕ぎボートの場合はまったくの無風や暴風は不利。適度な風が吹いている方が釣りはしやすいです。
風上から風下へ
雑な図ですみません(笑)。風上へまず漕いでいき、そこから風で流していくのが基本です。よりいい場所をより長く流せるように。いいところだけを流すつもりだとすぐに風で流されていってしまいます。また、オールでバチャバチャと漕いでいくため、その分のプレッシャーも考慮すると遠めから風で流していった方がいいはずです。
もちろん、現実の釣り場ではそうそう上手くいくとは限りません。風が弱すぎたり強すぎたりすることもありますし、流したいストレッチに対して風が当たっていれば平行に上手く流すのは無理です。そこは手漕ぎボートだから仕方ありませんが(笑)、もうオールのほかにもうひとつ活用すべきアイテムがあります。そう、アンカーです。
アンカーをフル活用する
アンカーの第一の役割は、ボートポジションを固定することです。
ボートを固定する
コンクリートのブロックが積んであり、ロープでボートに結んであります。大抵の場合、その釣り場の最大水深くらいの長さにしてあり、シャローではボートが斜めに伸び、少し流されてから止まることがおおいです。ただ、極端に深い場所ではボートを固定することが難しい場合もあります。つまり、ディープ狙いには向かないともいえますが、逆にオールがボトムにつかない場所から流して固定する場所でボートを止めればそこがブレイクになっている、ということがわかるよさもあります。アンカーが魚探代わりになるわけです(やや強引)。
ロープの長さを調整する
アンカーのロープをボート上の突起などに引っかけて水中へ伸ばすロープの長さを調整するのも有効です。写真の場合、約1mほどロープが短くなっているため、アンカーがボトムにつかない状態からボートを止める水深を浅めに調整することができます。ボートを止める水深を任意に設定することで魚探がなくても探りたいレンジを上手くコントロールすることができるのです。
デッキ上への上げ下ろしは最小限に
手漕ぎボートとはいえ、ボートを固定するためのウエイトをもつアンカー。毎回デッキ上に上げ下ろしをしていると、当然疲れます。また、重たいアンカーを必要以上に上げ下ろしすることで、デッキ上が水や泥で汚れる上、最悪タックルの破損につながったりします。写真のようにロープに1カ所結び目を作っておき、オールの金具に通して固定。アンカーはデッキの外に出した状態で移動や釣りをした方がいいです。多少バランスは悪くなりますが、気にならない程度だと思います。
以上が手漕ぎボート操船のハウツーです。手漕ぎオンリーの一碧湖でしたが、毎回いい魚を釣っていたのはむしろ手漕ぎボートだったからなのかもしれません。車をもっていない頃にレンタカーを借りて釣りをしにきていた一碧湖なので、百景園閉店は本当に残念です。
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